須成祭の車楽船行事と神葭流し

愛知県海部郡

7月初旬~10月下旬

須成祭は蟹江町須成にある冨吉建速神社と八剱社の例祭で、疫病退散を祈願する天王信仰を背景に伝承されてきた祭りである。

7月初旬から約3か月にわたって祭事が行われ、華やかな車楽船の出る行事と1年の穢れを植物の葭に託して川に流す神葭流しの2つの行事を中心に祭りが構成されている。

写真 須成祭の車楽船行事と神葭流し
写真 須成祭の車楽船行事と神葭流し

須成祭に出る車楽船は2艘の船を平行に並べて板を渡し、その上に二階造の屋形と三層構造の屋台を据え置く形態をとる。 宵祭に出る船は数多くの提灯で飾られ、巻藁船と呼ばれる。 屋根上の真柱には1年の月日の数をあらわす12個の提灯が縦一列に並び、その周囲には365個の提灯が半球状に取り付けられる。

一方、神葭流しは、宵祭までに「葭刈準備」「葭刈」「葭揃え」が行われる。 「葭刈準備」では、ちまき作りと葭を刈り取る用具の準備を行い、その翌日が「葭刈」となる。 蟹江川下流の弥富市にある亀ヶ池に行き、ご神体となる神葭の材料を刈り取ってくる。

「葭揃え」では、刈ってきた葭を切り揃えて大きな葭の束を4本作り神饌とともに社殿に供える。 この葭束を「御神葭様」という。その後、朝祭の翌日が「葭流し」となる。
早朝に祭三役と葭刈役の若衆が社殿から神葭を蟹江川まで運び出し、舟の上で葭の束を十文字に組み、 その中心に1年間の災厄を託した幣束を差し立て川に浮かべる。

神葭は、この七日後に「棚上り」といって引き上げ、神社境内に設えた棚に遷し灯明や供物をあげて祀る。 これ以後「御神葭様参り」といって70日間、地区の人たちが班単位に期間を割り振って毎日参拝する。 70日目には「棚下し」が行われ、御神葭様を棚から下ろして境内で燃やし、長きにわたる須成祭の行事は終了する。

写真 須成祭の車楽船行事と神葭流し
地図画像 愛知県所在地
主催者
須成文化財保護委員会
連絡先
〒496-0857
愛知海部郡蟹江町大字須成字川西上371番地
蟹江町観光交流センター2F
TEL:0567-58-1360
ウェブサイト
蟹江町観光まちづくりポータルサイト
須成まつり
http://www.kaninavi.jp/html/sunari/

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